自分たちでやってみる(2)
October 07 ,2009
名刺をつくったときのエピソードだ。
名刺はビジネスをする人なら誰でも使うものだけど、
僕はけっこう重要なツールだと思っている。
特にクリエイティブに関わる仕事をしている会社であれば、
最初にみせる自社の作品でもあったりするし、クリエイターであれば
自分のデザインや感性を反映したものでもあるからだ。
僕がこれまで勤めてきた会社でも、入社して最初に自分の名刺が
納品されてきたときには、特別な気持ちを持った。
少しでもこだわりをもってつくられた名刺ほど、それを持つ自分が
誇らしくなってくる。その会社に所属している期間は
人生の一部分かもしれないけど、その時もっていた名刺は、
その時の自分の在り方を示している。
あるフリーで活躍するデザイナーさんと話していたとき、
その方は「僕は名刺だけはお金をかけてもいいものをつくりたい」
と話していたが、僕もそれには同感だった。
とはいえ、自社の名刺をつくろうと思った時、名刺における
いいデザインやトレンド、紙の知識もないことがわかった。
受け取ってすぐしまってしまうものだし、デザインという観点で
並べてみる機会もない。
学習が必要だったが、急ぎでつくらねばならない事情もあったので、
制作にとりかかる上で、3つの観点で決めることにした。

1つめは、これまでいろんな方にいただいた数百枚の名刺から、
いいと思ったものをピックアップしてみようということ。
2つめは、名刺特集の雑誌からも方向性を決めようということ。
そして3つめは、直感で決めようということ。
名刺は一瞬の勝負ツールであるだけに、ひと目で「おっ」とか
「いい感じ」とか思ってもらえるのがいいと思ったからだ。
過去名刺のピックアップを始めると、方向はすぐ定まった。
スタッフも僕もいいと思ったのは細長いものだったのだ。
次は「細長い名刺」を念頭において、名刺特集の雑誌を見たところ、
細長の縦デザインを見つけた。過去名刺でもなかったもので、
珍しく新鮮だったので、それに決定した。
もともと、裏面は黒でロゴだけにしようと思っていたので、
あとは表面をパワーポイントでレイアウトして15分ほどで完成した。
Illustatorデータにするところは、プロのデザイナーさんにお願いし、
HLYWDロゴと相性がよい「DHP平成明朝体」を書体に選んでもらった。

次は膨大な量のサンプルを借りての紙を選ぶ作業。
スタッフで意見交換しながら自社にあうイメージの紙を探すことで、
会社の方針やスタンスの話にまで発展してくるから不思議だ。
結局、素材感があるオフホワイトで、黒色も映える紙に決まった。
これでやっと印刷だ。しかし新たな問題が発生!見積りをとると、
大幅な予算超過になった。名刺はこんなに高かったのか。。
そこで解決策として、もう1種類紙を選び、大量使用する方の
コストを抑えることにした。またこの2種類の紙が安価で印刷できる
業者を全国から探したところ、福岡に見つけることができた。
その結果、最初の見積りの6分の1まで下がることになった。変わるものだ。
試し刷りもなく、ヒヤヒヤしたが、届いてその出来栄えに安心した。
短い時間の苦労だったが、こうして名刺ができた。
これが完成した名刺だ。













