HLYWD TIPS[ハリウッド・ティップス]|クリエイターの仕事・発想コラム


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作り手は「違和感」を手放さない

August 04, 2011

■■ コラムVOL.93
■■ 作り手は「違和感」を手放さない
 
成形されるプロセスイメージ

 
『 自分の仕事をつくる 』『 自分をいかして生きる 』
これらはいずれも「 働き方研究家 」西村佳哲氏の著作です。
 
西村氏は様々なデザインプロジェクトのプランニングディレクターとして
活躍する一方、とくに”作り手・クリエイター”に焦点をあて、自らの足で
取材を重ね、自分らしい働き方・生き方についての研究提案をしています。
 
そして今回は、西村氏が作り手への取材を重ねた結果として「西村氏自身
にもたらした影響」について語っている箇所をピックアップしてご紹介
します。ビジネスポッドキャスト「ロングインタヴューズ」から、
西村佳哲氏×永江朗氏の「自分を生かす働き方」についての対談です。
 
<以下、引用>
 
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「違和感を手離さない」「感じる気持ちを流さない」
 
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(永江)
 
───(略)色んな人の働き方を研究していくなかで、
西村さん自身の働き方は変わりましたか。
 
(西村)
 
ドラフトというデザイン集団を率いる宮田識さんという人がいまして、
デザインの現場のインタビューをしにいったんです。怖い方だと聞いて
いましたので、びくびくしながら行きました。職場の状態をみると、
働き方の工夫が感じられたので、それがどういうところからきている
のかという、すごく抽象的な質問を投げかけてみました。
 
軽い気持ちの質問でしたので答えはあまり期待してなかったのですが、
意外にもビシっと返ってきて「違和感を手離さないことです」と
言われたんです。それを聞いて、ずっと頭の中に引っかかっていた
最後のワンピースをゲットしたような気分になり、さらに掘り下げて
聞いてみました。
 
日常生活を送っていて、たとえば、電車の中のつり革がおでこに
ぶつかるなあとか、自動改札を通るときに思った疑問とか、
こういうもんだと流さずに、ずっと持っておくんだということです。
そのときに解決できなくても10年くらい経ったらいつの間にか
解決できていたり、解決できる条件が整っていたりするものです
と言ってくれたんですよ。
 
ということは、何をどうするかということ以前に、何をどう感じて
いるかということだし、しかも、それを流さないという1点なんだなあ
ということに気づかされました。それが、一連の取材活動における
最大の収穫でした。要するに別の言い方をすると、それは「喜び」
でもよくて、自分が感じていることを流さずに保持しておくという
ことなんです。
 
たとえば、会社で新しい商品企画やサービスの打ち合わせがあったと
します。そこで、こういうことをやると、こういう人たちが悲しむよね、
とか、これは別になくても大丈夫だよね、といった思いを誰かが
抱いているとしても先に進まないので、そうした部分には触れずに
とりあえずそれを形にする方向にエネルギーを使うことが、
ままあると思うんですね。
 
でも、自分がそのときに感じていることに触れないで、ものごとが
進んでいくということは、自分に対する接続不良といいますか、
感覚遮断することになりますので、段々、実感が薄れていき、実感との
接続が弱い仕事になっていきます。ある種の空虚感が生じてしまう。
 
私は、プロジェクトを進めていくなかで、会議の一つの形式として
ときどき「独り言大会ミーティング」というものを開きます。
メンバー各人がプロジェクトに関することで何を言っても良くて、
但し他の人が言ったことに対して解決しようとしないスタンスで
行われます。そうすると、みんな色んな話をするわけです。
 
なんといいましょうか、自分の、ある感覚的な気持ちみたいなものは、
1回他の人に受け取ってもらえると、自分で先にいけるんです。
このようなミーティングの効用は動脈硬化的なものが起こりにくく
なるということです。そのときに解決しなくても、お互いが状況や
考え方を共有していると、組織が有機体になっていくといいますか、
必要なカバーリングを各自がそれなりに行うようになります。
 
「違和感を手離さない」という言葉は、こういうところにも活きてきます。
 
 
(引用元)MediaSaborビジネスポッドキャスト「ロングインタヴューズ」第19回目
西村佳哲×永江朗 対談 「自分を生かす働き方」
https://mediasabor.jp/2010/07/post_776.html

 
—–
 
さて、いかがでしょうか?
 
「いいものが出来上がるプロセス」に興味をもったことから始まった
西村氏の「働き方研究」。デザイナーや作り手の取材を通して氏が感じた
ことは、私たちにも多くの気づきを与えてくれるような気がします。
 




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