HLYWD TIPS[ハリウッド・ティップス]|クリエイターの仕事・発想コラム


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商売を続けるには「面白がれる人」を雇うしかない

March 28, 2013

■■ コラムVOL.174
■■ 商売を続けるには「面白がれる人」を雇うしかない





仕事はもちろん、人生を豊かに過ごすには、できるだけ人と話をして、
自分の目でモノを見て、さまざまな体験をして。なぜ、それをよいと
思うのか?物事の共通点は何か?自分の中にある、純粋な感覚と向き
合うことが必要と思います。また、これら「現場感覚」は、創造的
職業に就く皆さんであれば、日頃から磨いていきたいものですよね。

そこで今回は、人がなにかを探しに来る場所、「書店」の現場では
いま、どんなことが考えられているのか?という内容に迫ったイン
タビュー記事をご紹介したいと思います。『書店人のしごと』など
の著作で知られるジュンク堂・難波店のプロ書店員・福嶋聡さんの
インタビュー内容。聞き手はリビングワールド代表、働き方研究家
の西村佳哲さんと、こちらも豪華です。


<以下、転載>

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  いろんなことを面白がれる人を雇うしかない

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よく池袋店に中学生が体験学習に来ていて、

先生から言われているのか知らんけど必ず

「どんな資格があればこの仕事が出来ますか?」

と訊かれるんです。僕の答えははっきりしていて、

「なんの資格もいらない」「必要なのは好奇心だ」と。


「好奇心があればこんなに面白い仕事はないし、なかったら
こんなにキツイ仕事はない。お客さんからなにを訊かれるか
わからないし、毎年七万点もの本が出ているわけだし「知ら
ないことを訊かれたときに『学者でもないのに、なんでそん
なことまで知っておかないかんの』と思うか、『あ!これで
また新しいことを少しでもかじれる』と喜ぶか。後者だったら
面白いし、前者だったらものすごくキツイ仕事だよ」と言います。

これからもこの商売をつづけるには、
いろんなことを面白がれる人を雇うしかないと思う。

僕は本屋を「劇場」だと言っているんです。それは著者のトーク
ショーや非日常のイベントがあるということではなくて、お店に
来ているお客さんたちが主役の劇場なんですよ。

たとえば今の時期やったら、赤本を買ってゆく若い人は当然今年中
に受験する。だからセンター試験の次の日にワッと来るわけやし、
人生のある岐路に立っている彼らの姿は、僕にはすごくドラマチッ
クに感じられる。そっちの方がよっぽど面白いんですね。赤ちゃん
の名付け辞典を買う人は、自分か近い人に子どもができたに決まっ
ている。お葬式の本を買う人はどなたかを亡くされたんでしょう。
読者は絶対に何かを背負って書店に来ている。

具体的にどうしろというのはないんですが、なんらかの転機を求めて
来るそれぞれの気持ちに共振出来る場であれば、と思います。それに
応えるのは品揃えや棚並びもあるだろうけど、少なくとも僕らがその
場に?いる?ことで応えてゆけるんじゃないか。ネットにいなくて
書店にいるのは、本じゃなくてスタッフですから。

なにかを共有しながら、販売が出来たらいいなと思うんです。

人生の象徴的な場面に介在しているのなら、僕らがやらなきゃなら
ないのはおそらく「聞く」ことでしょう。どんなかかわりにせよ、
通常業務の中ではイレギュラーな形になりますからルーティンで
仕事をしたがる人たちは嫌がります。でも人が本を求めて、しかも
それを買いに本屋まで来てくれることが稀有になってきているの
だから、やっぱりそこに応えないと。そこで迷惑がっていたら、
どうしたってジリ貧かなぁという気はするんです。

ここまで言うとみんな反発するんだけど、機械みたいな働き方しか
出来ない人にはこの仕事は向いていないと思う。アルバイトの人にも
「あなたがレジの向こう側にいるときにどうしてもらったら嬉しいか、
ということだけを考えていればまず間違いない」と言うんです。

たとえば雨の日に何冊も買ってゆく方がいたら「明日着で良ければ
お送り出来ますよ」と、どんどん提案してみるといい。「車だから
大丈夫」とか「すぐ必要なので持って帰ります」という返事がある
かもしれんけど、悪い気持ちはせんでしょう。こっちもなんの損も
ない。むしろ回り回って、何か返ってくるんじゃないかな。

「その人のためになんとかしよう」というところが伝わってゆけば
お客さんになってくれますから。そんなの昔の商売ではあたり前の
ことだったのにね。システム化されてゆく中でどんどんなくなって
ゆくというか。

古い言い方かもしれないけど、やっぱり「気持ち」だと思う。

◇◇◇『みどる|Open Middleware Report』Hitachi,Ltd
みどるな書店経営>大阪の三軒の本屋さんを訪ねて(文:西村佳哲)
https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/omr/vol62/job/job03.html


—-

さて、いかがでしょうか?

システム化されていく世の中で、失われてしまいがちな、これらの”当たり前”。
今、改めて考えてみたいと思いました。




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