HLYWD TIPS[ハリウッド・ティップス]|クリエイターの仕事・発想コラム


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先輩は「人に見える事」にしか時間を使わない

June 20, 2013

■■ コラムVOL.185
■■ 先輩は「人に見える事」にしか時間を使わない





皆さんは「 1日の時間割 」を意識したことはありますか?

1日の中で「仕事」が占める割合がどのくらいなのか、
具体的な数字で把握している人は意外と少ないように思います。

たとえば1日24時間の中に、以下3つの領域があるとして、

1)「基礎領域」;睡眠、食事、運動、通勤など
2)「付加価値領域」:読書、勉強など
3)「業務領域」:定例業務、業務の下準備など

時期や目的にもよりますが、3)のために、1)や2)の時間を
大きく犠牲にすることは、あまり、好ましいものではありません。

そこで今回は「時間とデザイン」をタイトルにしたブログ記事をご紹介。
「デザイン事務所=徹夜」が当たり前の時代から徹夜をほとんどした事が
ないというプロダクトデザイナー秋田道夫氏の文章です。


<以下、転載>

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 時間 と デザイン

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その昔「仕事が速い」というのは、
あまり「褒める」意味では語られなかったように思う。

遅筆の作家の話が出たり、注文を受けたから10年も20年も
注文主を待た せたエピソードが伝説して残っていたりして
「とにかく良いものを生む には時間がかかる」というのが「定説」だった。

それが何時頃からか「仕事の速さ」「残業をしないこと」
「休息を十分にとる事など当たり前といえば当たり前の話が
「善」とされるように変化してきた。

わたしはむかしから仕事が速いかどうかは別として
まだ残業がひそやかに「善」とされていた時代からあまり残業をしなかった。
「事務所=徹夜」が当たり前の時代から徹夜はほとんどした事が無い。

あまり多くの仕事をしていなからに違いはないが、かつて会社にいた時
一人当たりのスペースが十分にあった時、前にあった図面ケースの上に
デザインした模型を積んでいたらあっという間に山積みになった事が
あったので、けっして仕事量が少なかったとは思えない。

朝来てアイディアを考えてお昼を食べて、昼からそのアイディアを
一枚 「完成予想図」にして5時位に仕上げて、道具を片付けて
机の上をなにも無い状態にして6時には帰宅していた。

そんな段取りでも一週間で5枚のスケッチが仕上がって二週間で10枚に
なるわけで、それを事業部長さんの壁に貼ったら『すごい力作』と
ほめられたのを覚えている。

まあそんな「やりかた」を最初からしていたわけでもなく、最初の会社で
2年ぐらいは、ひとつの製品でスケッチブックを一冊位使ってああでもない
こうでもないと大量のラフスケッチを何日も何日も描いていた。

わたしに変化をもたらしたのは、中途で入って来たある先輩との出会いだった。

一緒のチームで仕事をするようになってわたしのスケッチブックを見て
『この中には「すでに出来ている」ものがいくつも描かれている。
自分だったらこの数点で十分デザインが可能だ。』と言われた。

実際その先輩はアイディアスケッチを数点しか描かない。
完成予想図と図面を書いている姿とモデルメーカーに
泊まり込む勢いで出かける姿しか見た事が無い。

つまりその先輩は「人に見える事」にしか時間を使わない。
スケッチを「絵に描いた餅」とよく表現されていた。

デザイナーではない人が「わかる」部分に時間と労力を集中させる事の
重要性をその先輩はわたしに「見えるカタチ」で教えてくれていた。

わたしもその「やり方」に影響されてどんどんラフスケッチを減らし、
最終形に近いところで時間を使うように変化したし、ラフスケッチは
ますます「曖昧」な表現にとどめるようになった。

「時間がかかる」のと「時間をかける」のは根本的に違う。
さして効果の上がらない(見えにくい)ものに時間をかけずに、
「見えるもの」に集中的に時間をかける。

実務経験を積むに従って「図面に書けないものは考えない」
「模型の為の模型は作らない」「自分が設計出来ないカタチは
プロの設計者でも無 だ」と考えるようになった。

当たり前の事だけけれどそうすると「打率」が俄然向上する。
「製品化 ÷試作数」か限りなく「1」に近づく。

「ちゃんと作れるモノをデザインしてくれる」という信頼感が
企画や設計や営業の人達の間に生まれてから「作れないもの」や
「作りにくいもの」への挑戦を許してくれる「空気」が生まれるものだ。

それは単に「作れない」のではなくて、
いずれ「作れるようにならなくてはいけないカタチ」という意味が生まれる。


◇◇◇「時間とデザイン」Information Weblog of Michio Akita/Product Designer
https://www.michioakita.jp/whiteboard/2013/05/-1020.html


—–


さて、いかがでしょうか?


「人に見えること」に重点的に時間をかける姿勢が生んだ、

「ちゃんと作れるモノをデザインしてくれる」という信頼感。

「作りにくいものへのチャレンジ」が許容される空気感。

プロフェッショナルが放つ、説得力のある言葉でした。




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