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自立とは「依存先を増やす」こと

September 05, 2013

■■ コラムVOL.195
■■ 自立とは「依存先を増やす」こと





「 自立って、どんな状態のこと? 」

もしもこんな質問を受けたなら、大人の皆さんはどう答えるでしょうか?


「 他者からの助けを受けず、依存せずに生活できること 」

こんなふうに、定義する人もいるのではないかと思います。


そして今回は、脳性まひ患者であり小児科医であり作家であり、
東大の特任講師でもある熊谷晋一郎さんのインタビューから
「自立」について語られた箇所をピックアップしてご紹介します。

幼少期に強いられた “がんばり地獄” のリハビリから自らを解放、
大学へ進学するのをきっかけに地域での一人暮らしを経験した熊谷
さんのインタビューは、視点がぐるりと変化するような、気づきの
言葉であふれています。

<以下、転載>

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  自立とは「依存先を増やす」こと

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一般的に「自立」の反対語は「依存」だと勘違いされていますが、

人間は物であったり人であったり、さまざまなものに依存しないと

生きていけないんですよ。



東日本大震災のとき、私は職場である5階の研究室から逃げ遅れて

しまいました。なぜかというと簡単で、エレベーターが止まって

しまったからです。そのとき、逃げるということを可能にする

“依存先”が、自分には少なかったことを知りました。

エレベーターが止まっても、他の人は階段やはしごで逃げられます。

5階から逃げるという行為に対して三つも依存先があります。

ところが私にはエレベーターしかなかった。



これが障害の本質だと思うんです。つまり、”障害者”というのは、

「依存先が限られてしまっている人たち」のこと。健常者は何にも

頼らずに自立していて、障害者はいろいろなものに頼らないと生きて

いけない人だと勘違いされている。

けれども真実は逆で、健常者はさまざまなものに依存できていて、

障害者は限られたものにしか依存できていない。

依存先を増やして、一つひとつへの依存度を浅くすると、

何にも依存してないかのように錯覚できます。

“健常者である”というのはまさにそういうことなのです。

世の中のほとんどのものが健常者向けにデザインされていて、

その便利さに依存していることを忘れているわけです。



実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と

感じられる状態こそが、”自立”といわれる状態なのだろうと思います。

だから、自立を目指すなら、むしろ依存先を増やさないといけない。



障害者の多くは親か施設しか頼るものがなく、依存先が集中している状態です。

だから、障害者の自立生活運動は「依存先を親や施設以外に広げる運動」だと

言い換えることができると思います。今にして思えば、私の一人暮らし体験は、

親からの自立ではなくて、親以外に依存先を開拓するためでしたね。


(引用元)公益財団法人東京都人権啓発センター
TOKYO人権 第56号(平成24年11月27日発行)
【インタビュー】自立は、依存先を増やすこと 希望は、絶望を分かち合うこと
https://www.tokyo-jinken.or.jp/jyoho/56/jyoho56_interview.htm

—-

さて、いかがでしょうか?

自立とは、他者(社会)からの助けを受けずに生活することではなく、

特定の他者(社会)から頼り切ることなく生活すること。

【依存先が集中していない状態】のこと。

自立の自覚をもった大人の皆さんにも、ぜひお読みいただきたい内容でした。




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