Yです。
とうとう最後のブログです。
嵐です。
狙ったように大型台風チャーミーが関東直撃の夜に最後の課題発表会。
「予定より30分早く撤収します」との加藤さんからのメール。
ですよね。JR中央線は早々と「20時に終了します」と弱腰な宣言してるくらいですし。
しかし青山一丁目に着いてみると雨止んでます。
坂を下ってスタジオ到着。参加者は18人というなかなかの参加率。まずはビール片手にタスクさんほかスタッフの皆さんにご挨拶。
説明会ぶりにお会いした松井さん、大内さん。松井さんのお腹が大きくてびっくり。2月のご予定とか。おめでとうございます!
大野さんの乾杯の発声で会が始まりました。
デスクにはリスト。20の作品中参加者は18名。
私の発表は18番目。トリか!光栄です。
全て観終わった時点で押しの1作品を選び、最後にグランプリを決めるというルール。軽食と赤ワイン頂きながら早速上映会開始。発表者は前に出て名前と作品タイトルを紹介してスタート。
3分以内という尺。観ていて「長いな、」と思ってしまう作品は何かが良くない。多分コンセプトが明快か否かということが大きいのかな。作り手は何を伝えたいのか、何を見せたいのか。それが無いとただ好きなものを並べた独りよがりの映像になってしまう。
映像編集と料理は似てるな、と以前も書いたが、結局は食材が良くないとどう調理しても美味しい料理はできないな、と思う。という意味でやはり撮影がキモ。撮影素材が素晴らしければ、並べただけでもある程度良いものになる。それと音も大事な食材。この絵にこの音楽当てる!?みたいなちぐはぐな作品がちらほらあった。
霍田さんの活版印刷所を取材した作品は印象に残った。タイトルの出し方からしてセンス良い。さすがは元デザインセンター。カラコレも雰囲気あって、職人さんの表情も素敵。飛び込みで取材を申し込んだだけあってコンセプトが明確。私が凸版印刷で働いてるということもあり親しみを覚えた。
石原さんの作品「夏の終わり」も印象的だった。クラスの中でワークショップを組んだこともあり、趣味で作ってるというGoPro動画を見せてもらっていたりしてたので期待していた。
今年の夏を思い出させる光、彼女のキャラが良く出てるみずみずしい作品。GoPro撮り慣れてるなぁ。
青森の自然を撮った長澤さんの作品、自然の美しさが良かった。ただせっかく撮ってるものが美しいので、もう少し1つ1つのカットをゆっくり見せたほうがいいな、と。きっと撮れ高が良かったのであれもこれも入れたくなったんだろうな、と推測。
鈴木さんの「shibuya2018」、センス良いなぁ。顔のモザイクが置いてかれて残ってる、ってのに吹いた。
桜井さんの作品「moment」が私的には一番好きだったかな。
曲と色のトーンが相まって印象的だった。「死ぬ間際にはこんな映像が浮かぶような気がします」と仰ってたが何となく分かるようなしがする。ご本人、かなり体調悪いようだったが、嵐の中無事に帰れただろうか。。
以下自分の作品について書いておきたい。
モデルの子は嫁の姉の子。姪の旭。姉と弟がいる。
5歳の時に初めて会い、小中高大と成長する中で時折姉妹の撮影会をしてきた。
そんな旭も今年で二十歳を迎えた。時が経つのは早いもんだ。
富士山が綺麗に見える山梨から上京して美大に通い、劇団に所属してかけ出しの舞台俳優をしている。
東京という目まぐるしい大都会で、思い悩みながらも舞台稽古に励む日々。少女と大人の狭間の今しか出せない表情がある。二十歳というタイミングで旭のPVを撮りたいと思って相談し、是非一緒に作りたいという快諾をもらった。絵コンテを見せながらコンセプトを伝え、ロケ地を考え始めた。
冒頭の富士山は新幹線の中から以前撮ったもの。下りの三島駅を過ぎた辺りが富士山の絶好ポイント。ただ上京という意味もあるので逆再生して使用した。
エスカレーター、徒歩のカットは原宿から表参道への道。これは場所的なイメージが少女から大人へ、という意味合いがある。後ろ向きで歩いてもらいそれを後で逆再生にしている。これは東京という街にまだ違和感を感じているという演出。
実はこのカット、当初iPhone+DJIオズモモバイルで撮影したのだが、メインで撮っているOMD EM-1mk2との差がありすぎて、どうしても質感の差が気になったので提出前日のピンポイントで晴れた夜に再撮した。
夜に強いレンズ、フォクトレンダーのF値0.95開放でマニュアルフォーカス合わせながらジンバル無しで歩きながらの撮影はなかなか難しかった。それも人通りの多い金夜の表参道を後ろ向きに歩かせている。(実はちらりと写っているが嫁と息子に先導してもらっている。)
他のロケ地は東京駅のホームと広場。KITTEのテラスからの夜景。六本木ヒルズ前とヒルズの展望台から東京タワー。武蔵境駅前の武蔵野プレイスという素敵図書館前。最後の目のアップは新宿の寿司屋。撮影後に毎回一緒に夕ご飯を食べるのだが、撮り忘れた目をそこで撮影した。(よく見ると目に寿司が写りこんでるw)
ゆりかもめの先頭から撮ったものは上下左右ミラーにしているが後半のスピードアップする演出要素として合成している。(本当は夜撮りたかったのだが、。)
あと、お台場のチームラボ「ボーダレス」でも撮影しているが、この後姿は同じ服を着て嫁を撮影。血が繋がってるだけあってシルエットが良く似てる。
サウンドは作曲もできる役者の中野君に作ってもらった。ざっくりの仮編を送ってそれに合わせて作ってもらい、曲が完成した段階で今度は曲に合わせて編集を詰めていった。
途中のテンポが上がるタイミングでタイムラプスの要素を入れ、ダンスが始まりエンディングに向け疾走感を出していく。図書館前で踊っている時にたまたま図書館から出てくる大学生達が良い意味で旭とのコントラストが付いた。
タイトル文字はiPadとペンで手描きで書き起こしたものを動画に書き出しした。そして
「TOKYO20」と普通声、ささやき声で旭の声で録音。3種類を重ねた。
ビデオグラファーの授業が始まる前に既に1回目の撮影は終えており、早め早めに準備をしていたので最後の詰めに時間を費やすことができた。
デザインもそうだが私の場合まずは要素をモリモリに詰め込んで、後半それらをそぎ落としていく作業をする。心を鬼にしてそぎ落としブラッシュアップする。あとは1フレ単位で音に合わせていく。
上映後に大野さんから3つの質問がある。
・なぜこの作品を作ろうと思ったか
・見どころは
・あと24時間あったらどこに手を加えたいか
一つ目は前述の通り。見どころは旭の少女と大人の狭間の表情。24時間あったらダンスシーンをもう1テイク撮りたい。できれば雨の夜、ネオンが反射するアスファルトで。
残念ながらグランプリは逃したが2番目に票が多かったのは嬉しい限り。グランプリは霍田さんの「佐々木活字店」
発表の後にあらためてグランプリ作品を上映、のタイミングでドサー!という大雨。加藤さんの演出かと思ったw
景品はスマートスピーカー。
最後に講師、スタッフの方々から一言。
集合写真を撮って一本締めで終了。
Photo by Katsuhito Yagi
二次会を駅近くの飲み屋で行い、作品の感想など語り合い良い時間だった。三浦さん幹事ご苦労様でした。店を出たのは22時を回っていたので弱腰の中央線は当然終了していた。
ただ単に4回の講習を受けるというのではなく、宿題や最後の課題があるので、その間も家で制作に打ち込めるので回数以上に充実した1ヶ月だった。
ブログを書いたことで習ったことを復習でき、テキストとして残ったことも意味があった。次は冬にモーションの方を受けたいと考え中。
それでは短い期間でしたがお世話になりました!
(Writer:受講生: Katsuhito Yagiさん)