短期集中型のカリキュラムで受講を決意

今年6月上旬、勤めていた出版社を退職し、フリーランスのフォトグラファーとして独立すると決めていた私は、プラスαのスキルとして動画撮影・編集を学ぼうとスクールを探していた。ただ、以前オンライン講座を受講したものの挫折した経験があったので対面の授業があるスクールにこだわった。ネットで検索すると上位に上がるスクールは通学期間6カ月前後、学費が70万〜80万円のところがほとんど。通学期間はせいぜい3カ月と考えていた私にとって6カ月は長いし、学費も高い。条件に合うスクールはないかとさらに検索した結果BYNDがヒット。その内容はなんと「約1カ月で税込96800円」。「これだ!」と思った私はオンラインの説明会参加を早速申し込んだ。

説明会で対応してくれたのは大内さん。大内さんに私はフォトグラファーとして独立すること、写真撮影だけでは心許ないので動画も手がけたいことなど、今置かれている状態や考えていることを思いつくままにすべて話した。大内さんは私が何を求めているのかをより掘り下げてくれた。また、映像で食べていくなら、モーショングラフィクスができると映像表現がより豊かになるとアドバイスしてくれたこともあり、BYNDに通えば何か切り開けそうだと確信した私は、ビデオグラファーとモーショングラフィッカーの両方を受講することを決断。3カ月間のBYND通いが始まった。

ビデオグラファー講座では、PremiereProを使った編集やミラーレスカメラを使った撮影など実践的なことを学んだ。動画経験がないが、取材などで長年カメラを使った経験があるので、気がつけばカメラの知識や扱い方を受講生仲間に教えることもあった。授業の合間にはたすく先生や武井さんとカメラの話で盛り上がるなど楽しく過ごせた。

一方で、授業で説明をしっかり聞かずにおっちょこちょいなこともやらかした。例えば、1つ目の課題は「待って」動画を撮影することだったのに、私は「待つがテーマだ」と早とちり。課題を出した後に気がついて焦ったものの、たすく先生は決して否定することなく評価してくれた。もちろん、それ以降はちゃんと説明を聞くように努めた。

ビデオグラファー講座の期間は会社の仕事をしながら通っていたので、原稿書きと並行して課題やファイナルワークの制作に取り組んだ。ファイナルワークの制作では、朝4時半に起きて撮影したこともあり、決して楽ではなかったけれど、とても楽しかった。ファイナルワークの発表会ではたすく先生をはじめ、スタッフの皆さんに自分の作品がきちんと評価されたことがとてもうれしかった。

講師・スタッフと受講生が一体となった授業

ビデオグラファー講座が終わると、翌週にはモーショングラフィッカー講座が始まった。今回は経験が一切ない未知の分野。AfterEffectsに触れたこともなく、「ついていけるかな」「ファイナルワークはいったい何を作ればいいんだ?」などと不安を抱きながら講座に臨んだ。

モーショングラフィッカー講座の受講生のタイプは幅広い。AfterEffectsを私のように「使ったことがない」という人もいれば、「使ったことがある」という人までいた。AfterEffects経験者の受講生は授業での質問もかなり深い内容で、ヒロ先生の回答を聞いても正直わからない。ただ、それでもBYNDのいいところは、授業がわからない人を置いてけぼりにしないことだ。バリバリ分かる受講生は授業がスムーズに進まなくても余裕を持って待ってくれる。BYNDの講座は、講師やスタッフが一方的にノウハウを伝えるのではなく、受講生も一体となって成り立っているのだ。

ただ、授業を終えるたびに出される課題には苦戦した。勤務先の有給休暇の消化も始まって時間に余裕があるものの、講座の復習動画を視聴しながら課題に取り組み、予想以上に時間がかかった。いま振り返れば、仕事がなく緊張感がない環境下にあるために時間がかかったのかもしれない。仕事と授業の両立は大変なのは間違いないが、仕事をしながら取り組む方が絶対いいと思う。

課題に苦労しながらも、オプションも含め全講座はあっという間に終了。その後、締め切りまで1週間でファイナルワークを制作した。ビデオグラファー講座を修了した私は、自分で素材を撮影・編集し、モーショングラフィクスを加えて制作を進めた。この過程でも、「あのやり方は何だっけ?」とわからなくなり、復習用動画を再度観ながら作り、締め切り時間の1分前になんとか提出できた。ギリギリまで粘ったこともあり、提出した途端に一気に力が抜けてしまった。発表会では想定していなかった評価ももらえたこともあり、自信をより高めることができた。皆さん、ありがとうございます。

こうして3カ月にわたるBYND生活が終わった。BYNDで掲げているゴールは「卒業したら自立できること」。説明会で大内さんから聞いたときにはっきりとイメージできなかったが、今ならはっきりわかる。一般的な社会人ならワードやエクセル、パワポを使っていてわからない点があればググったり、得意な人に聞いたりして解決することが多いはず。これが動画撮影・編集やモーショングラフィクスでも同じようにできるようになるといえばイメージしやすいだろう。

私はBYNDで3カ月間学んだことで、CMやドラマを観れば「あの技法が使われている」とわかり、モーショングラフィクスを観て「簡単なことの組み合わせだ、俺でも作れる」と考えられるようになった。卒業したといってもまだ出発点に立ったばかり。今後も自分で学び続けながら、いろいろな仕事にチャレンジしていきたい。

 

BYNDER:YOHEI T.
COURSE:ビデオグラファー/スケッチ・フォー・ビデオ/モーショングラフィッカー/チューン・オブ・モーション(2023 SUMMER CAMP)
WORKS:ビデオグラファー/モーショングラフィッカー