授業の最初の自己紹介で、「完全体になるために来ました」と挨拶しました。BYNDに参加した目的は、映像制作において自分に足りていないスキル、具体的にはタイトルやオブジェクトの動かしの技術を学ぶことでした。

BYNDの授業でとてもよかったのは、自由度が高い課題が出ることです。「何とかして他の受講生を驚かせるようなものを作りたい」という気持ちが刺激され、精神と肉体が活性化し、すごくがんばれました。おかげで初めて音楽ソフトに触れて音楽を作ったりもしました。私の映像制作の原動力は、「自分がおもしろいと思うものを作る」ことですが、同時に、「人が驚くものを作る」ことでもあります。教室で自作を発表する時に人の反応を生で見られたり、他の受講生の作品に驚かされてやる気をもらったり、一緒に学ぶ同期生の存在は大きかったです。(上は60代から下は20代前半まで、様々なバックグラウンドの人がいて、楽しかった!)

それからとても印象的だったのは、授業をサポートしてくれるTAさんたちです。いつも受講生が困っていないか気配りをしてくれるため、操作ミスなどでお手上げ状態になった時、知りたいことが出てきた時など、すぐに手を差し伸べてもらえ、着実に学びを進めることができました。とても感謝しています。あの、求めれば求めただけ与えてくれ、成長を感じられる環境、そして同期生や先生方と過ごした濃い時間は、キラキラとした思い出として時々胸を締め付けてきます。

授業を経た今、AfterEffectsで何でもできてしまうという事実に圧倒され、また、映像制作を自分一人で完結させられるという可能性に気付き、目が覚める思いです。というのも私は普段仕事で映像の演出をしていますが、撮影はカメラマンに、編集はエディターに、と、他者との共同作業を当たり前のこととして制作に臨んでいました。その当たり前を突き崩され、タイトルの動かしだけにこの技術を使うなんてもったいない!と思ってしまいました。今後は仕事でこの技術を使うのはもちろん、自由に想像し思うがままに、自分のための作品にも取り組みたいと思います。

まだ完全体には程遠いですが、変身の種はしっかり植え付けられました。どう変化していくか、自分でも楽しみです。

 

BYNDER:Matthew.I
COURSE:モーショングラフィッカー/チューン・オブ・モーション(2021 SPRING CAMP)
WORKS:モーショングラフィッカー