お疲れ様です。なんと最終回となりました。4回目の講座となっております。あっという間の一週間でした (;’∀’ )。 3回目につづき開場は集中力のカオスとなっております。今回も盛りだくさん、新しいことを学びつくします。すばらしいアウトプットに繋がるよう頑張って盛り上がっていきましょう。

 

 

ちょっと私事です。半生、版画や絵画を通して自己表現を目指し作品制作を続けてきた私ですが、作品を作り始める前に構想を練ったり、道具の準備をしたり、キャンバスを貼ったりします。この期間は心の準備も兼ねているんです。作品にとりかかる前って、わたしにとっては凄く精神力を要することで、例えば 2x2m ものキャンバスに向かうとします。この大きさに絵具を1層乗せていくだけでも体力を必要とするし、最終的な表層に現れるイメージへの大切な1歩となる重要な工程なんです。

しかし完成まで先の長い行程を想像するだけで、疲労感、不安感、困憊感、などなどおよそ精神的に良くないであろう事象が脳内を駆け巡ります。「そんな無駄なことやめれば」、と心の片隅が問いかけます。それでもなんとか一筆目を真っ白な画面に置き始めます。この先も一筆ごとに葛藤が駆け巡ります。完成までの長い道のりほぼ95%がこんなことの繰り返しなのです。

だけれども、95%を越えてきた時点でこの状況は一変してくるんですよ。「完成」に近づくにつれて画面が立ち上がってくるんです。輝いてくるんです。その高揚感は図りしれない喜びなんです。こうして長い行程を幾度なく経て作品を作り続けてきました。最後、ほんの5%の歓喜を目指して。

今わたしのキャンバスは1920×1080ピクセルに変わっています。目の前に置かれる大きさは違えど、最初の1pixelを踏みだす精神力は同じなのかなと感じています。真っ黒なコンポジションを立ち上げたときの絶望感、完成までの長い道のり、ああ、やっぱり同じかもしれない… でも、完成したときの喜びは同じでした。デザインやモーションが絶妙なハーモニーを奏でたときの高揚感は言い表せません。動きが立ち上がってくるんですね。辛いこと95%ですが、今日もごちゃごちゃのワークスペースに立ち向かってみてます。5%の喜びを目指して!

 

 

4日目スタート、ジョグタイムからです。ファイナルワーク(FW)で作りたいもの、構想していることをグループでの共有です。今日の始まり、わたしのテーブルではまだ全員そろっていなかったので2人でのジョグです。お隣の藤田さんは構想を練っている最中です。推測ですが日常撮影をなされているそうなので、モーションと映像のベストマッチが上がってくる予感。わたしも構想、アイデア、進捗を共有させていただきました。先週撮影してきたことも報告し、後にはひけない状況を自らつくってしまいました (;’∀’ )。 いろいろ作品をみているとこころの変化が発生します… 藤田さん6秒動画ではかっこいいモーションでしたので、FWも楽しみにしています!

 

 

続いて3日目の最後にチャレンジ課題をいただきました。今回は <動くポスター> です。お題のイラスト素材を自由に動かす15secモーション!そちらの「分解・解説」タイムです。

 

↓チャレンジお題内容

 

提出要件を満たしていれば何でもOKです。この「なんでも良い」が曲者で、自由ほど苦しいものです。学生時代みたいに無邪気に創れるほど若くもないですしね、皆さん? それでも出てきた作品はそれぞれに創意工夫がなされていて、いろいろなアプローチを拝見することができました。視点ってそれぞれに過ごしてきた環境や思想に根ざしているものが反映されるのでしょうか。人生を垣間見れる良い機会かなと思っています。

 

 

さて今日の講座のメインは「3D」です。3Dといったら私は3Dプリンターを頭に浮かべます。造形データを blenderやFusion360とかAutoCAD系のソフトで作り、それを光造形や樹脂系のプリンターで出力なんて感じの認識です。Aeで3D、平面で疑似3D空間!3回の講座内容では、各レイヤーのプロパティはx、y座標まででした。そこにzが加わります。前後に空間が追加されるのでした。回転にもz回転が!プロパティがさらに複雑に!と途方にくれるかもしれませんが、大丈夫です。ヒロ先生から細かく解説、そしてひとつずつ分解していただけます。

 

 

3Dレイヤーを扱うと「カメラレイヤー」という新しいレイヤーの登場です。「平面レイヤー」「ヌルレイヤー」ときて、さらに「カメラレイヤー」!びっくりです。こちらはまさにカメラです。カメラレイヤーを選択すると設定項目が出てくるのですが、これがまさに写真を撮るときに設定する内容とまさに同じ。レンズサイズやフィルムサイズ、被写界深度まで! ん!? ということは、平面なのに奥行きが表現できるのですね!まさにそのようです。被写界深度にチェックをいれるとあの美しいボケ感まで表現できるんです。

 

 

というところでひとまずお昼休みに入ります。お待ちかねのロケ弁… あ、お弁当の写真がない… どーしよう (;’∀’ ) そうそう動画を撮っていたのでその中にあったかな! と思ったら中身の内容がわからない… ということでパッケージでご勘弁ください (;’∀’ ) ごっつい美味しかったです!4日目ともなれば受講生の距離も近くなり団欒タイムも盛り上がっているようです。

 

 

よーし午後からも頑張りましょう!3Dレイヤー引き続きの実践練習です。カメラレイヤーのセッション中に「CC sphere」のご紹介もいただきました。テクスチャーマッピングですね。ふつうは3DCGIなどで製作するのでしょうが、アフターエフェクツでも出来ちゃいます。下の写真はセッション中の練習ですが、広告にも良く目にする画面を引きながら素材がポップアップするテクニックです。

 

 

つづきましてのセッション素材。近未来的なウェアラブルウォッチから空間にタイマーが投影されています。 チョーかっこいい!映画なんかではおなじみですね。このような表現はアフターエフェクツの大得意とするところ。グラフィックに様々な加工をほどこしながら映像となじませていきます。極座標、グロー、ノイズなどエフェクトの知識が増えていきますね。最後にシェイプレイヤーを上に乗せてモードを切替、グラフィックの色に合せるエッセンスなどたまりませんね。よりリッチなテイストにするためのひと工夫です。

 

 

楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。いよいよ最後のセッションになってしまいました (;∀;) ヒロ先生からのご指導はこれで最後です。対面での貴重なお時間をありがとうございました。最後までじっくり聞いていきたいと思います。

 

 

先ほどの映像、投影画像は動いていましたが、素材動画はそれほど動いていませんでした。次は動きのある画面に追従していく「3D トラッキング」です。これは是非覚えておきたいテクニックです。テキストなんかがモデルさんに追従して動いたり、俯瞰の海上船などを追ってテキストが動いたりしますよね。

ウィンドウ → トラッカーを選択。プロパティを選択すると、アフターエフェクツが画面内のポイントを自動で検索して、そのポイントを結ぶ面を作成してくれます。そこにイメージを貼りこんでいくと、なんと動画の視点と同じ動きで選んだポイントを移動してくれます。なんてカッコイイんでしょう。近未来的表現、映像を作ってる感が増してきますね。

こちらも最終画質調整などに先ほどのグロー、ブラー、色、ノイズ、そして今回はノイズのグレイン(追加)を適用しています。映像のイメージへのアプローチはPhotoshopにかなり通じるところなので、慣れているかたは積極的に追及していくのも世界観構築のために良いかもです。

 

おっと、授業終盤にはオプションコースを担当いただくタスク先生も登場です。

 

ヒロ先生はFW参考の為に「自分ならどう作る」として、作品を作ってきてくださいました。皆さんの前で上映していただき、プロのモーションアプローチを拝見させていただきました。もとオタクの私はキャラの動く作品を食い入るように拝見させていただきました。

 

 

なるほど細部にいたるまでさりげないモーションにも気を配られているんだなと感じました。全体のリズムはとても重要で、予備動作から次の動作へつなげる心地よさを作るための工夫など大変勉強になりました。

さてさて、モーショングラファー4回、1か月にわたる基礎講座も終了です。皆さまそれぞれに充実した期間を過ごされたのではないでしょうか。わたしも改めてモーションの面白さを体感でき、これからは「作品」としてのアプローチもありだな、と感じています。もちろんお仕事への活用も重要です。店舗やWEB上に自分のモーションで広告が表示されたらうれしいですよね。たゆまぬ努力が必要となりますが、人生一生勉強ですので、一歩一歩着実に進化していけるよう続けていこうと思います。

ヒロ先生、ブンダさん、タケイさん、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。FBでの補習は非常にありがたいです。私はいったんここで受講終了です。オプションコース受講の皆さまは引き続き頑張ってください!では、ファイナルワークでまたお会いしましょう。

 

 

って、今回も終わりじゃない?
そう今日は卒業生による「BYNDトーク」が行われます。卒業生お二方によるFW製作秘話をお話いただけます。これはわれわれのFWにむけて重要な講義になる予感。むむ、心して拝聴いたしましょう。まずは懇親の一杯を!

 

 

尾島さん、上坊さんのお二方ご登壇です。上坊さん『Flashback』からの上映です。上坊さんはホラー映画がお好きだそうで、有名な映画のシーンから想起されて作品を作られているようです。デザインのお仕事柄か、シンプルな画面構成の中にしっかりと世界観が作りこまれており、一つ独特のアプローチを拝聴することができました。トークの中ではAeで製作したプロジェクトの中身を拝見できます。製作者のプロジェクトデータを覗ける機会なんてなかなかないですね!親身にご質問にもご回答いただき本当にありがとうございました!!

 

 

尾島さん『I JUST WANA HAVE FUN』よろしくお願い致します。優雅な色調でリズミカルに展開していく作品です。猫ちゃんが随所に現れてかわいいしぐさを見せてくれます。グラフィカルな文字や色が画面を駆け巡り、あまりの素材の多さに感嘆しました。多くの人から質問が殺到していますが、ご本人は冷静にお答えになっており、作品のクオリティー、精巧さとあいまっているようでした。私もなぜこのような世界観を作りだせるのか質問させていただきました。丁寧なご回答ありがとうございました。これから向かうFWに向けみなモチベーションがあがったこと、間違いないと思います!

 

 

一期一会、あの時集まった人たちとの出会いを大切に、皆さんの熱いパッションを忘れずに今後も映像とお付き合いしていきたいと思っています。

皆さまお疲れ様でした。そしてありがとうございました。

 

 

(Writer:受講生・松木太郎さん)